
教員は激務らしいけど、やりがいはあるの?




やりがいをもって、教員として働けるのかな…
教員という職業は、世間ではよく「大変」「激務」といったイメージで語られることが多いです。
そのイメージが先行して、「教員の仕事にやりがいはあるのか?」と疑問を感じている人もいるのではないでしょうか。
確かに教員の仕事は、授業準備や学級経営、保護者対応、部活動など、仕事の幅は広く、忙しい毎日が続くのは事実です。
しかしその一方で、「やりがいが大きい」「辞めたいと思っても、子どもの顔を見ると気持ちが変わる」と語る現役教員も多くいます。
今回の記事は、そんな教員のリアルなやりがいや、教員として働くメリットについて解説します。教員を目指している方、仕事に迷っている現役教員の方にも、今の働き方を見直すヒントになれば幸いです。
- 教員は本当にやりがいがあるのか?
- 教員のやりがい・メリット
- 教員の知っておくべき現実
教員の仕事は本当にやりがいがあるのか?



教員の仕事にやりがいはたくさんある!
どうしてもブラックな労働環境ばかりに注目が集まってしまう教員の仕事…。
もちろん、それも事実なのですが、それ以上に
“大きなやりがい”を感じるからこそ、どの教師も仕事を続けていられるのだと思います。
子どもの成長に関わる仕事であり、日々の関わりの中で心が動かされる瞬間が多いのが、教員という職業の大きな魅力なのです。




私も教員時代、たくさんやりがいを感じていました!
教師が感じるやりがい7選



ここからは、元教員の筆者が実際に感じていた「教員のやりがい」を7つ紹介します。
① 子どもの成長を間近で感じられる
子どもたちは日々変化し、学び、成長していきます。学力面だけでなく、友人関係、感情のコントロール、自立心など、目に見える変化に立ち会えるのは教員ならではの醍醐味だと思います。
昨日まで出来なかったことができるようになった瞬間に立ち会えたときは、本当に感動しますよ。
子どもの成長をすぐそばで感じられることが、教師の一番のやりがいと言っても過言ではありません。




子供の「できた」を聞くと、自分まで嬉しくなります!
② 教えたことが伝わったときの達成感
授業で説明したことを子どもたちがしっかり理解し、「わかった!」と目を輝かせる瞬間は、教える側にとって大きなやりがいです。
「先生の授業、分かりやすかった」と言ってもらえると、準備の苦労も一気に報われる気がします。




授業準備は大変だからこそ、
やりがいは大きい!
③ 保護者や同僚からの感謝の言葉
日々の指導や支援に対して、保護者から感謝の言葉をもらえることもあります。
特に「先生のおかげで、子どもも楽しそうです」と言ってもらえると、本当に嬉しいです。
また、チームで仕事をする同僚との連携がうまくいったときにも、やりがいを感じやすいです。
「先生がいてくれて良かった」と言われると、自分の存在意義を感じる瞬間になります。




保護者や同僚の何気ない一言にたくさん救われました!
④ 子どもと感情を共有できる
子どもたちと一緒に喜んだり、悲しんだりできるのも、教員ならではの魅力です。
「運動会で1位になれた」「文化祭でよい発表ができた」「他のクラスに負けて悔しい」など、学校行事等を通して、たくさんの感情を共有します。
その度に、子供たちとの信頼関係も深まり、より日常生活でやりがいを感じやすくなります。




喜怒哀楽を子供と共有できることは思い出にもなるよ!
⑤ 学級・行事づくりのやりがい
運動会や学芸会、修学旅行など、学校行事の運営も教員の大切な仕事です。
子どもと一緒に目標に向かって取り組み、成功させることで、クラスや学年の団結が生まれます。
学級経営では、頭を抱えることも多いですが、その分クラスの団結が見られたときは、とても大きなやりがいを感じます。




学級経営は1年間の楽しさを左右する大事な仕事!
⑥ 社会的意義のある仕事という誇り
教員は未来を担う子どもたちを育てる、極めて重要な役割を担っています。
その意義の大きさに誇りを感じ、「自分は社会に貢献している」と実感できるのも、この職業の魅力のひとつと言えるでしょう。




責任感のある仕事だね!
⑦ 自分自身も成長できる職業である
教員は、常に新しい課題に向き合い、学び続ける必要があります。そのため、日々の業務を通して自身も成長し続けられます。
- 分かりやすく授業を教えるスキル
- 効率よくマルチタスクをこなす仕事術
- 様々なタイプの人々との人間関係構築能力
- より良い学級運営を行う指導力
こういったスキルや能力を、仕事を通して磨いていくことができます。
教師の仕事を続けることで、おのずと自分自身も成長していくことを実感します。




教師はいろいろな力を身につけられるよ!
教員として働くメリットとは?



やりがいに加えて、教員として働くことで得られるメリットは何でしょうか?
安定した雇用と給与
教員は公務員であるため、雇用はとても安定しています。
ボーナスや退職金なども整備されており、長期的に見れば収入の見通しが立てやすい職業です。
▼教員の給料や退職金について知りたい方はこちら▼



また、福利厚生も充実しているため、万が一のことが起こっても、金銭面では安心できるというところも大きなメリットです。
▼教員の育休・産休制度について知りたい方はこちら▼






長期休暇や有給が比較的取りやすい
夏休み・冬休み・春休みなど、学校ならではの長期休暇があります。
長期休暇は有給も取りやすく、長い期間休めるので、家族で過ごす時間も十分に確保できます。
また、有給休暇も制度としては整備されているため、体調不良や私用にもある程度対応可能です。
人の役に立つという自己肯定感
子どもや保護者から直接感謝される仕事であるため、「人の役に立っている」という実感をダイレクトに得やすいです。
社会貢献性の高い仕事に就きたいと考えている人には、大きな魅力です。
地域社会とのつながりができる
教員は地域の中で信頼される存在であり、地域活動や保護者との関係づくりも仕事の一環です。
そのため、地域との絆やつながりを感じやすいです。
幅広い年齢層と関わることができ、人間関係を構築する力も自然と備わってきます。
専門性を活かせる仕事である
得意な教科や特別支援、ICT、キャリア教育など、自分の専門分野を活かして活躍できる機会も多いのが教員の特徴です。
やる気次第で、教育委員会や研究会、研修講師など、活躍の場を広げることもできます。
やりがいだけでは続かない?知っておくべき現実



どれだけやりがいがある仕事でも、それだけで長く続けるのは簡単ではありません。
教員の仕事には、やりがいや魅力がある一方で、多くの教員が直面する厳しい現実も存在します。
長時間労働と業務量の多さ
教員の労働時間は非常に長く、勤務時間外の仕事も日常茶飯事です。
また、一人でこなす業務量も数えきれないほどあります。
- 授業準備
- 学級経営
- 週案や学級通信の作成
- 学習指導案の作成
- 教材づくり
- テストの採点・評価付け
- テスト作成
- 宿題や課題チェック
- 保護者との連絡・面談・やりとり
- 学校行事の運営・企画・準備
- 部活動指導
- 委員会やクラブ活動指導
- 生徒指導・生徒のメンタルサポート
- 進路指導
- 事務仕事
- 職員会議・資料作成
- 職員研修
- 地域の方との連絡・ボランティアの調整
教員の毎日やるべき仕事をざっと書き出しただけでも、これだけの量があります。きっと細かく見れば、もっとあることでしょう。
また、文部科学省の令和4年度教員勤務実態調査によると、「月45時間」の上限を超える時間外労働をしていた小学校教員は64.5%、中学校教員は77.1%にも及んでいます。
「自分の時間がほとんどない」「仕事が終わらないまま明日が来る」と感じている教員は少なくありません。
▼教員の残業事情についてもっと知りたい方はこちら▼



保護者や同僚との人間関係
子どもだけでなく、保護者や同僚との関係づくりも教員の重要な仕事のひとつです。しかし、この対応が大きなストレス要因になることもあります。
(例)
- 一部の保護者から理不尽なクレームを受ける
- 時間外でも保護者から対応を求められる
- ベテラン教員と若手教員の間に壁がある
- 教育観や指導スタイルの違いで、軋轢が生まれることも
また、精神疾患で休職している教員の原因にも職場や保護者との対人関係が影響していることが分かっています。



教員は幅広くいろいろな人と関わるため、それがプレッシャーとなり、しんどいと感じる人もたくさんいます。
▼精神的につらいと感じていたら見てほしい▼






子どものトラブル対応が精神的にきつい
子ども同士のいじめ、不登校、家庭環境の問題など、教員は学習指導だけでなく、生活面・心理面のケアにも関わる必要があります。
- いじめの加害・被害の双方の家庭に対応し、精神的に疲弊する
- 虐待やネグレクトを疑うケースに直面し、葛藤する
こうした場面に日常的に向き合うことで、「自分の無力さ」を感じたり、心がすり減ったりすることもあります。
それでも教員を続けるために必要なこと
やりがいがあっても、無理を続けていてはいつか限界が来ます。だからこそ、以下のような視点も大切です。
- 一人で抱え込まず、同僚や管理職に相談する勇気
- 自分の「できていること」に目を向け、自己肯定感を保つ工夫
- 民間企業への転職や副業など、選択肢を持っておくこと
「やりがい」と「現実」のバランスを取りながら、自分らしい働き方を模索することが、教員として長く働くための鍵です。
▼教員以外の視野を持ちたい方はこちら▼
まとめ
教員という仕事は、確かにハードで悩みも多い職業です。
しかし、子どもの成長に関わるという何ものにも代えがたいやりがいの大きい仕事であることもまた事実です。
今教員として働いている方は、改めて「自分がやりがいを感じる瞬間」を思い返してみてください。きっとたくさん見えてくるはずです。
そして何より大切なのは、「やりがい」だけで無理をせず、自分らしい働き方を見つけていくことです。
あなたの人生に充実感を与える働き方ができるよう、この記事が少しでも何かのお役に立てたら嬉しいです。