教員の給与はいつから上がる?2026年スタートの約50年ぶり大改革

ゆとり

先生の残業時間は小学校で平均41時間、中学校で58時間なんだって!!

はかせ

働かせ放題の現場にビックニュースがあったみたいだよ!

教員の給与は上がるの?」「いつから変わるの?」——そんな疑問を持つ現職の先生や教員志望者は多いはず。

結論からいえば、2026年(令和8年)1月から、教員の給与が段階的に引き上げられます。これは約50年ぶりとなる大幅な処遇改善で、2025年6月に給特法等改正法が国会で可決・成立しました。

この記事では、全国の教員に関わる給与改革の内容・スケジュール、そして東京都の教員給与がどう変わるかまで、最新情報をもとに詳しく解説します。

この記事を読むとわかること
  • 教員の給与がいつから・どれだけ上がるのか
  • 約50年ぶり改革の背景と内容
  • 新設される「担任手当」「主務教諭」とは何か
  • 東京都の教員給与はいつからどう変わるか
  • 改革のスケジュール一覧
目次

教員の給与が上がる背景ーーなぜ今なのか

残業代ゼロの仕組み「給特法」とは

日本の公立学校の教員は、「給特法(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)」により、残業代(時間外勤務手当)が支給されません。その代わりに、給料月額の4%を「教職調整額」として一律受け取る仕組みになっています。

この4%という数字は、1971年(昭和46年)の制定当時に計算された「月約8時間の残業」をもとにしたもの。

ところが2022年度の文部科学省の調査によると、月平均の残業時間の推計は小学校で約41時間、中学校では約58時間

当時の約5〜7倍にまで膨れ上がっており、制度と現実の乖離が深刻な問題となってきました。

参考:文部科学省「教師の処遇改善」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoshi-kankyo/mext_03345.html

深刻化する教員不足

こうした過酷な労働環境と低い待遇が重なり、教員志望者の減少・採用倍率の低下が全国で進んでいます。

「教師の仕事は大変なのに給料が見合わない」という声が広がる中、国は処遇改善に本腰を入れることになりました。

教員の給与はいつから上がる?【スケジュール一覧】

2025年6月11日、給特法等改正法が参議院本会議で可決・成立し、教員の給与引き上げが正式に決まりました。

引き上げが始まるのは2026年1月(令和8年1月)から。毎年1%ずつ段階的に引き上げられ、最終的に2031年1月に10%に到達します。

時期教職調整額引き上げ幅
現在
(〜2025年12月)
給料月額の4%——
★ 2026年1月
(令和8年1月)スタート
5%+1%
2027年1月
(令和9年1月)
6%+1%
2028年1月
(令和10年1月)
7%+1%
2029年1月
(令和11年1月)
8%+1%
2030年1月
(令和12年1月)
9%+1%
★ 2031年1月
(令和13年1月)最終目標
10%+1%

参考:https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoshi-kankyo/mext_03345.html

教職調整額10%で給与はいくら上がる?具体的な金額で解説

教職調整額は給料月額に掛け算する手当です。仮に給料月額が30万円の教員計算してみましょう。

現在(4%)改正後(10%)差額
給料月額300,000円300,000円——
教職調整額12,000円30,000円+18,000円
月収合計(概算)312,000円330,000円+18,000円/月
年間増額(概算)——+約216,000円

月額約1万8,000円、年間で約21万6,000円以上の増額となります(地域手当がある場合はさらに上乗せ)。

東京都の教員の場合、地域手当が23区・多摩地区で給料の20%加算されるため、実際の増額は試算よりもさらに大きくなります。

今回の改革で変わる3つのポイント

教職調整額の引き上げ(2026年1月〜)

上述のスケジュール通り、2026年1月から毎年1%ずつ段階的に引き上げ。これは給特法施行(1972年)以来、初めての増額です。

なお、令和9年度以降は文科省・財務省が働き方改革の進捗や財源確保の状況を確認しながら、引き上げ方やその他の有効な手段も含めて検討する旨が合意内容に盛り込まれています。

学級担任手当の新設(令和7年度〜)

小中学校の学級担任を対象に、月額3,000円程度の特別手当が新たに支給されることになりました。

担任を持つだけで山のような業務が課される現実を考えれば「まだ少ない」という声もありますが、担任業務への評価が手当という形で明示されたことは一歩前進です。

※自治体によって支給額が異なる場合があります。

新たな職「主務教諭」の創設(令和8年度〜)

令和8年度(2026年度)から、「主務教諭」という新たな職が創設される予定です。教諭と主幹教諭の間に位置する中堅層向けの役職で、教諭より給与を月6,000円程度高く設定することが予定されています。

主務教諭の主な業務(予定)

・学校横断的な取組(教育相談・特別支援・情報教育・防災安全教育など)の調整

・若手教員へのサポート強化

管理職(校長・教頭)の給与も上がる

今回の改革では、教職調整額の改善とあわせて、校長・教頭等の管理職の本給も改善されることが明記されています。

管理職への昇任インセンティブを高めることで、学校全体のマネジメント力を底上げする狙いがあります。また、事評価を昇給・勤勉手当に反映する仕組みの整備も進められており、頑張った教員がより評価される制度づくりが意図されています。

参考:https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoshi-kankyo/mext_03345.html

東京都の教員給与は上がる?いつから?

東京都も2026年1月から段階的引き上げを決定

東京都人事委員会は2025年10月の勧告において、法改正に基づき教職調整額を現行の4%から10%まで引き上げることを正式に示しました。

令和8年(2026年)1月から毎年1%ずつ段階的に引き上げ、令和13年(2031年)1月に10%とするスケジュールは全国の基本スケジュールと同様です。

参考:https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2025/10/2025101703

東京都教員の給与構造の特徴

東京都の教員の給与は「給料表額+教職調整額」に加え、以下の手当で構成されています。

手当の種類内容・金額の目安
地域手当(給料+扶養手当)×20%(23区・多摩地区)
義務教育等教員特別手当人材確保法に基づく優遇分
担任手当(新設)月額3,000円程度(令和7年度〜)
主務教諭手当(予定)教諭より月6,000円程度増(令和8年度〜)
管理職手当副校長から加算(約80,700円等)

特に地域手当20%は東京都教員の給与を大きく底上げする要素です。教職調整額が引き上げられると地域手当の計算ベースも上がるため、実質的な増額は試算よりも大きくなります。

参考:https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/staff/personnel/salary/salary

東京都の担任手当・主務教諭への対応

東京都人事委員会勧告では、国における担任加算について「都における厳しい教員採用の実態を踏まえ、適切な対応を検討する」と明記されています。

東京都は独自に教員確保の取り組みを進めており、今後さらに手厚い処遇改善が加わる可能性もあります。

参考:https://tougaku.sakura.ne.jp/news/news2025/news756

まとめ:改革のスケジュール早見表

時期変更内容
令和7年度(2025年度)〜学級担任手当の新設(月額3,000円程度)
★ 2026年1月(令和8年1月)教職調整額 4%→5%(全国・東京都ともスタート)
令和8年度(2026年度)〜主務教諭(新たな職)の創設
2027〜2030年(令和9〜12年)毎年1%ずつ引き上げ継続
★ 2031年1月(令和13年1月)教職調整額 10%に到達(最終目標)

教員の給与改善はようやく動き始めたばかりです。約50年ぶりという節目の改革が、現場の先生たちの働く環境改善につながることを期待したいところです。

ただし、令和9年度以降は働き方改革の進捗を踏まえた検討も行われる予定です。処遇改善とともに、時間外労働の月平均30時間程度への縮減(5年以内の目標)も並行して進むかどうかが、今後の注目ポイントです。

私が考える本当に必要な「教員改革」とは

給与が上がることは、教員としては素直に嬉しいことだと思います。

長い間、置き去りにされてきた教員の処遇がようやく見直される——それだけでも、現場で働く先生たちにとっては大きな前進だと思います。

しかし、給与だけでは、教員不足は解決しないと私は思っています。

私が現場で働いていた経験から言えば、教員を悩ませているのはお金の問題だけではありませんでした。

毎日終わらない業務量、放課後も続く保護者対応、様々な特性を持つ児童への個別サポート…気づけば心身ともに疲弊しきっている、そんな日々でした。

「給与が上がるなら頑張れる」ではなく、「もう体が限界だから辞めたい」という教員が後を絶たないのが現実です。

私が本当に必要だと思うこと・・・

  • 業務量の抜本的な削減(やらなくていい仕事を手放す勇気又は民間への業務委託)
  • 多忙感を生む「何でも学校・教員が対応する」文化の見直し
  • 様々な特性を持つ児童へのサポートを教員一人に背負わせない体制
  • 保護者対応の窓口を学校外に設ける仕組み
  • 教員の流動性を高め、学校に新しい風を吹き込むこと

給与の改善と同時に、働く環境そのものが変わってこそ、教員という職業が本当に魅力的になるのではないでしょうか。

お金よりも先に、現場の先生たちの「明日も学校に行きたい」という気持ちを守ることが、子どもたちへの最高の教育につながると私は信じています。

参考資料

・文部科学省「教師の処遇改善」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoshi-kankyo/mext_03345.html

・東京都「令和7年人事委員会勧告等の概要」
https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2025/10/2025101703

・東京都教育委員会「教員の給与制度」
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/staff/personnel/salary/salary

・東京都学校事務職員労働組合「東京都人事委員会勧告特集号 NO.756」
https://tougaku.sakura.ne.jp/news/news2025/news756

・労働政策研究・研修機構(JILPT)ビジネス・レーバー・トレンド2025年8・9月号
https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2025/08_09/kyoushokuin_01.html

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次